「そしたら、ちーも医者になるって言いだして…」




だけど__、と颯太は続ける。



「俺最近、医学そのものより、医療法…色んな法律とか行政のほうに興味があって…」


颯太は苦々しく表情を歪ませた。



智咲さんと嘘偽りない気持ちで交わした幼いころの約束が、颯太を縛り、苦しませている。



「……医者になりたいって思えないんだ。」



誰も悪くない。

そう解っているから、だれも責めることが出来ないから、苦しい。



今のあたしにはどうしたらいいのか分からなかった。