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「…結構マニアックなの好きなんだね~…」



一瞬、心臓が停止したかと思った。



振り返るまでもなく、この妙に色気を含んだ甘い低音は。



「し、颯太…先輩!!」


無意識にズザザザーと後退した。


「奇遇だね、放課後もこんなところで会えるなんて。」


こんなところ、というのは学校近くの書店だ。


ハハハと爽やかに白い歯を見せて笑う颯太を改めて見た。



店内だからか、妙に色っぽく緩められたグレーのマフラー。

長い脚、整った顔立ち、

ふわふわサラサラしてそうな色素の薄い髪。



完璧。少女マンガ的に。

完全なるイケメン。



こんなに美味しそうなイケメンなのに…!!


「…タクとか、…はぁー。」


「え?何?」


「いえ、何でもないです…」



……?


何故か、胸がざわつく。