「オタクじゃないよ!!少女マンガが好きなだけだもん!!」


「世のオタクは“あるもの”が好きなやつらでしょう?あんたもじゃない。」


言われてみれば、確かにこっちゃんの言う通りだ。

だけど、今、“オタク”だとは認めたくなかった。


「…オタクじゃないもん!!」


「お子ちゃまかあんた。」



精一杯抗議の目をこっちゃんに向けてから、あたしは盛大にむくれてやった。





だって、今まで考えたことなかったけど、あたしがオタクなんだとしたら。




颯太先輩のこと微妙に思ってるの、ただの同族嫌悪じゃん…!





ふぅ、とため息がしたと思ったらこっちゃんだった。


「ま、行くのはいいけどさっさと帰りなよ。最近暗くなるの早いし、寒いし。」


「うん…」


「いつ誰に襲われるか分からないし。」


「う、うん…?」


「あんた可愛いからさ」


「も、もう~こっちゃんてばお世辞ばっかりー」


「いや、本気で心配してるからね?帰るとき、どうにかしてお兄さん呼んで迎えに来てもらいなさいよ。」


こっちゃんの目が妙に真剣だ。


怪訝に思いつつもとりあえず頷いておいた。







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