「………おはようございます」



視線が交差したのは、わずか0.3秒のこと。

はい、あたしが逸らしちゃいました☆


「かなしいかな、美保ちゃんにすぐに目を逸らされて…」

「アホか」

わざとらしくヨロ…となった颯太の頭をにいちゃんが叩いた。


「とりあえず、悪いけど颯太。美保も乗せてやってくれない?」


「「は?」」


不本意ながら颯太と声が重なる。


いやいやちょっとにいちゃん待とうか。何であたしが変態・颯太先輩の後ろに乗らないといけないんですかっっ!



「えー、と。それ、道路交通法違反だからね?」

颯太が耳の後ろ辺りをぽりぽりかきながら言った。


「え、そうなの!?」

本気で知らないらしいにいちゃんが声をあげた。

あたしも今知ったし。


「そうだよ。犯罪ではないけど、警官の警告を無視した場合は罰金とか課せられるんじゃなかったかなー」


へぇー詳しいんだーただの変態じゃなかったんだー…



……て、見直してる暇とかなかった!!


「ええじゃああたしどうしよう!!」

あたしの体力で走っても絶対に遅刻だ。


出席皆勤が……とうなだれかけたときだった。



「美保ちゃんは俺の自転車乗りなよ」