それは…
「…当然なんじゃない?芸術家として。」
芸術家、という職柄はいつも不安と隣り合わせなんじゃないだろうか。
いつ、怪我して自分の個性を出せるものが無くなるかもしれないか分からない、とか。
その能力自体の衰え、とか。
名声、とか。
でも、不安なんて人間生きてたら常に抱えてるものだとも思う。
いつどこで事故に遭って死んじゃうか分からない。
いつどこで運命の相手にばったり遭遇するか分からない。
そんな不安を抱えるのも、きっと私たちが“人間”だからだ。
心を持った“人間”だから。
「…たぶん、美保が考えてるような種類じゃないの…」
「……じゃあ、何?」
あたしは、伏せられたままの母親の眼を見つめた。
「……恨んでるんじゃ、ないかなって…」
ぽつり、
「美保や聡が……」
ぽつり__、