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「美保」
ガチャ、と扉の開く音となめらかなソプラノに手離しかけていた意識が戻ってくる。
真っ暗なあたしの部屋のなかに、少しの隙間から廊下の灯りが一筋だけ伸びている。
お母さんが覗き込んでいた。
「お母さん…。何やってんの?入ればいいのに」
むくりとベッドから身体を起こした。
「ごめんね、起こしちゃったみたいで」
「いいよ、気にしないで。お母さん大好きだもん」
その言葉にお母さんはふっと表情を柔らかくした。
「ありがとう。」
___“お母さん”失格なのにごめんね…。
お母さんの口からは紡がれなかったそんな言葉が、お母さんの口から聞くことになるとはこの時は予想だにしていなかった。
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「美保」
ガチャ、と扉の開く音となめらかなソプラノに手離しかけていた意識が戻ってくる。
真っ暗なあたしの部屋のなかに、少しの隙間から廊下の灯りが一筋だけ伸びている。
お母さんが覗き込んでいた。
「お母さん…。何やってんの?入ればいいのに」
むくりとベッドから身体を起こした。
「ごめんね、起こしちゃったみたいで」
「いいよ、気にしないで。お母さん大好きだもん」
その言葉にお母さんはふっと表情を柔らかくした。
「ありがとう。」
___“お母さん”失格なのにごめんね…。
お母さんの口からは紡がれなかったそんな言葉が、お母さんの口から聞くことになるとはこの時は予想だにしていなかった。