「…?」


見上げると、見たことないイケメンがあたしを覗き込んでいた。


か、かっこいい…!!



あたしは思わず髪を触って整えながら言った。


「…こ、こんにちはっ!兄の妹の美保(みほ)です。兄がいつもお世話に…」

「入れば?」

「え?」


そのイケメンはあたしの背中を優しく押して中にいれた。



部屋の中に入ると、お兄ちゃんがテレビの前に両手を広げて画面が見えないようにかばっていた。


その顔はかなり焦っている。

しかも薄ら笑いまで浮かべている。



んん?


あたしは不審な思いでテレビに近づく。


イケメンはそんな様子を腕を組んでドアにもたれかかって面白そうに見ていた。


「…お兄ちゃん。いったい何を隠してるの?」


お兄ちゃんはあたしが見えないようにバスケのディフェンスみたいに体を動かした。

「い、いや~ちょっと……」


ますます怪しい。



あたしはお盆を机に置いた。


ふと、お兄ちゃんの足もとに、今しがたやっていたであろうゲームソフトのパッケージが転がっているのを見つけた。


フフ、しめた。