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「やっぱり和食だよねー。」


あたしは、ほうれん草をカゴに入れながら言った。



放課後、あたしとにいちゃんは家の近くのスーパーに来ていた。


にいちゃんと校門を出るとき、やっぱり何だかヒソヒソ指を指されている気がした。

明日がややこしくなりそうです、うん。




「うん。帰って来たときくらい和食食べたいよな。」


お兄ちゃんも近くに置いてある大根を取り上げてくるくる回しながら言う。



「にいちゃん、その大根はだめよ。」

「何で?」

「そのにいちゃんが持ってる大根、他のより小ぶりだし、そこにある大根の方が葉が茂ってるでしょ。たぶんそこの大根の方が美味しいよ。」

「へ~…」


にいちゃんがあたしをまじまじと感心したように見てくる。


「いいお嫁さんになれるなー、きっと… 」

目を細めて何やら生温かい視線を送ってきやがる。


何故か恥ずかしくなり、にいちゃんの手からさっきの大根を奪い取り、別の新鮮そうなものと取り替えた。


「…ば、ばーか。兄ちゃんのくせに何言ってんのよ」




そのあたしの反応に兄ちゃんがときめいていたことは言うまでもなく、もちろんあたしは知らなかった。

知りたくもないけど。