「あのさ……昨日、俺が読んでた本…見た?」



来た…。



俺は腹を括って聡を見据えた。


「悪い。見るつもりはなかったけど、聡の机にぶつかって本が出て来て、どんな本か気になって見た。」



目を閉じ、聡の言葉を待った。



「…そっか」



聡は羞恥か___はたまた怒りか__心なしか顔を紅潮させて嘲るように溜息を吐いた。


「…軽蔑、しただろ」



パッと聡を見上げた。


ドキリ、としたのは確かだ。



「……ごめん。…少しだけ……」



偽っても仕方ないことだと思い、本当のことを言った。



聡は驚いたように俺を見た。


「…変わってるな、颯太は。」


「何で?」



聡はさっきとは変わって安堵した顔をしていた。