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「お邪魔します」

「妹しかいないからかしこまらなくていいよ」


聡の家に行ったのはそれが初めてだった。

玄関には確かに女の子っぽいデザインの靴が一足揃えてあるだけだった。


「妹いるんだ。いくつ?」

靴を脱ぎながら聞いた。

「…中1」

それ以上、教えるつもりはなさそうだった。


「こっち」


聡は、階段を上って右側の部屋に案内した。


左側の部屋はその妹のだろう。





…普通じゃん。



というのが、聡の部屋を見た感想だ。


全体的に寒色のインテリアで統一されていて、壁にかかっているものと言えば写真とかが貼ってあるコルクボードだけで、『いかにも』なポスターとかが貼ってあるわけではなかった。


「…座ってよ」

「あぁ、ありがと」


俺は適当にカーペットの上に胡座をかいて部屋を見回した。



聡がベッドに腰掛けて、居心地が悪そうに身じろぎした。


「…し、颯太…」


「ん?」