仲良くなれるかもしれない。



そう思った。




「面白いな、伊坂って」


聡はさっきとは打って変わって打ち解けた様子で言った。


「そりゃどーも。颯太でいいよ」

「俺も、聡で。」



俺は、ポンと軽く聡の右肩を小突いて笑った。


聡も白い歯を見せて笑った。



「なぁ、今日ヒマ?」

「今日?」


話し込んですっかり忘れられている聡の机を俺は下げながら聞いた。


「あ、ありがとう。__今日?まぁ…ヒマだけど。何で?」


サッと警戒の色が聡の顔に浮かんだ。少し緊張したように俺の顔を伺う。



だめだ、あんまりしつこくすると警戒心を持たれてしまう。


「や、せっかく聡と喋れたし放課後にどっか寄って帰るのはどうかな、と」