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翌日。



「ヤバ…」



俺は手元の、先ほど返された小テストの紙を見下ろして青褪めていた。




《二学年 英語科 小テスト -助動詞 can-》という印刷の横に大きな『2』という赤い数字が忙しそうに殴り書きされていた。



ちなみに満点は5点ではなく、20点だ。




ハァと重い溜息を吐いた。


数学は習うことすべてすんなりと頭に入ってくるのに、英語は異界の言葉のようにしか思えず全く理解出来ない。



20点中2点はないだろ…。



英語の若い女性教師が『10点未満の者はよく復習するように』と厳しく生徒に言ったところでタイミング良く終業のチャイムが鳴った。


号令をして椅子を上げて机を教室の後ろに下げた。



掃除用具入れに行こうとしたら、チラと聡の手の中の小テストが見えた。


20点。

しかも聡はどこで習ったのか、アルファベットを筆記体で書いているから点数の上からはな丸までつけられていた。



聡はそのプリントを興味なさそうに見下ろすと、内容が見えないように半分に折りたたんだ。



こいつ、成績に興味ないのか。


俺は目を見張って聡を見た。