ふう。到着。



二階には部屋が四つ。


どれが亮のかしら。

・・・・・全部開けましょ。お兄さんがいたら挨拶すればいいもの。


ガチャ。まずは一番近いドアから。


「・・・・・違うみたいね。」
パタン。
この部屋は書斎だった。






そして、二つ目の扉を開けようとした瞬間。





「ッ待ったーー。」
凜の手は亮に遮られていた。



「あら。どうしたの亮?」





「凜。」「だめ。ここは兄さんのだよ。」




「じゃあ挨拶するわ。」




「だめだってー。」亮は泣きそうな顔をしていた。




そうこう喚いてる内に
扉が開く。




これだけ騒いでいればこちらから開けなくても、向こうは気になるのも無理もない。