凜は女性にキスをする。


いや、キスと言うよりも口づけと言うほうがただしい。




女性は何も言葉を発することはできない。



「さあ。大丈夫。帰りなさい。」


凜は女性を連れ、外にでる。

「気をつけてね」



・・・・・・・。



パタン。ドアが閉まる音だけが響く。



女性はもう、泣いてはいない。なぜなら、男のことなど考える余裕がないほど凜のことで頭がいっぱいであるから。








凜は女の涙に弱い。
それに、男よりも女が好きなのである。
だが、そっち系ではない。







家に入り、階段を登る。