登場人物(解答)

『俺』:榊原惣次
『アイツ』:桜庭 明
※『アイツ』:桜庭 遼



詳しい解説:
本編で触れられましたが、生徒会長[榊原惣次]は[見る]だけで人を[理解]することが出来る、という特異体質の持ち主でした。

そのタネは生まれつきの天性の[洞察力]からなるもの。それによって、相手の表情や声質の変化、ほんの小さな仕草や動作を全て情報化し、相手の感情や本心を見破る……と言ったもの。

しかし、これは当人の意思とは関係なく、完全に無意識下で行っているものである。

そのため榊原は、[望んでいないのに、勝手に頭が働いている]という感覚に陥っているのである。


作中で[栗沢聖子]は言っていましたが、


「人間は誰しも心に[闇]を持っている」

「その『心の闇』は外面だけでは判断できない。何故ならそれは[内面]にあるものだから」


このことを榊原自身も「人間というのは汚い生き物」と認識しています。



つまり榊原は、人間が自分の内側に秘めている“汚い面”、いわゆる誰しもが持つ『心の闇』を、自分の特異体質によって、[無意識の内に暴いてしまう]のです。



榊原は子供の頃から人間の[汚い面]ばかり見て育ちました。

そして彼は、本当の意味で[誰かに心を許す]ということが出来なくなり、次第に孤独感に見回れていきます。




さらに榊原は、


[人間は自分の本心を無意識の内に隠してしまう生き物]


とも言っています。



彼は誰よりも[他人を理解する能力]に長けている反面、[自分自身を理解する能力]は持ち合わせていなかったのです。

誰にも[理解]されることなく育った榊原は、自分と同じような体質を持った『理解者』を求めていたのです。



続く。