「ジルとは、お前達と親しかったあのジルだ。ジル自ら、私に告げたのだ。レイとヨクが、恋仲にある。と…。」


マオ様の言葉が胸の深いところに刺さる


ジルに…ジルに…裏切られるなんて…。


「哀れな者達よ…。恋など煩わしい感情に振り回されおって…。さて…。」


マオ様は、僕達に手を向けた


泡ニ…ナル…


「名高い泉の二人を、裁かねばならん。惜しいことだ…。だが…。」


ボンッ!!


僕の前に、大穴があいた

大穴からは、煙が燻っている


自然と身体は震えだした

「怖いか?王のみが、扱うことができる消却の能力だ。当たれば、すぐに泡だ。このまま、泡にしてやってもいいが…私は優しい。例外として…泡にはしないでやろう。」

マオ様はニヤニヤしながら、震える僕に言った