「‥早く呼んで」


「―っ」


「早く」


私は胸元を押さえてゆっくり後ずさり、ぺたんと廊下に座り込み顔を伏せる。


口が渇いて言葉が出なくなった私に、先生はゆっくりと近づく。


「そんなに、嫌なの?」


「‥ちがっ」


「あー、くそ‥ムカつくな」


「なっ‥‥?!」


先生は座り込んでいる私の前にしゃがむと、俯いていた私の顔をぐいっと持ち上げる。


「沙由ちゃんは健気で可愛くて純粋だけど‥たまにそれがイライラすんだよね」


「ご、めんなさ‥」


「ふふっ、その顔‥可愛いね?怯えてる犬みたい」


先生は私を抱きしめると、首もでクスッと笑う。


私は首に吹きかかる息に体をよじらせていると、先生が首にキスをした。


「沙由ちゃんは‥俺が言った意味を分かってる?」


「何を‥してるんですか」


「俺が言った意味」


「今は何で首にキスしたのかっ、て事を聞いてるんですよ?!」


クスッと笑う先生は私に顔を近くけたかと思うと、軽く額に再度キスをした。



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