にしても、さっきのは心臓に悪いよ‥なんか不気味なんだか、イケメンなんだか。
ふう、とため息を吐きジュースを一口飲むと私は携帯の時計をちらりと見る。
「4時近いんだ‥」
「もう、そんな時間だった?」
「はい、美容院早く着いても大丈夫だと思うんで向かってもらっても良いですか?」
「‥うん」
先生はすぐにいつもの喋り方に戻っていて、私は少しびっくりしてしまった。
もしかしたら先生って二面性がある人なのかな?何て思いながら、揺れる車に私はまどろみ始めてしまう。
「寝てて、良いよ?」
「‥でも」
「カーナビ‥あるから」
「じゃあ、入力しておきますね‥よいしょ」
身を乗り出してボタンを押していく、機械音だけが響く車内。
入力をして、ルートが出た所で私は背もたれに体を預ける。
「お言葉に甘えて少し寝かせて貰いますね、お兄さん」
「‥っ、おやすみ」
先生が顔を赤くしていたけど、私は眠気に耐え切れず深い闇の中へと落ちていく。
心地好く眠りにつく前、先生が頭を抱えて悩んで居たのを実は見てしまったけど。
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