小さな洋食のお店に着いた私達は端のテーブル席に、向かい合わせに座る。


少しメルヘンなお店、だけど可愛いからなんだか嬉しくなる。


「あら、いらっしゃい‥ってなーに?久々に来たと思ったら、彼女が出来たのー?」


「いえ‥彼女じゃなくお手伝いさんです」


“お手伝いさん”という響きは、なんだか胸にしっくり来ないし‥何だか寂しい。


‥寂しい?
寂しいって、何だろう。


「オムライス二つと紅茶を一つ、芦名‥さんは?」


「えっと‥あと、アイスティーを一つください」


「はい、かしこまりましたー」


気の良さそうなおばさんは奥に入ると、直ぐに飲み物を出してくれた。


「お待たせー」


「ありがとうございます」


「にしても、あんた若いのにお手伝いのバイトなんて‥珍しいわね?いくつなの?」


「17歳です」


「‥17?!どうしてまたあんた、ロリコン小説家だったの?」


「違いますよ、何言ってるんですか‥‥!」


珍しく先生が言葉を荒げて、少しブスッとした顔をしている。


初めて見る先生の顔は、想像以上に可愛かった。



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