「何?」


苛っとして聡を見上げると


「すげー不器用」


口に手を当て
気の毒そうに
あたしを見下ろして


「見てらんねぇ。
包丁貸せよ。
オレがやってやる」


そう言うと、あたしの包丁を奪い取り、


トントントン。


軽快な音をたて、


あっという間に、


見事なスライスの出来上がり。