自分で自分に言い聞かせてた


“聡は恵の好きな人だから”

“あたしには、聡よりも、恵が大事だから”


っていう、聡をこれ以上好きにならないための縛りみたいなものがするするほどけて・・・


聡への気持ちが
また
どんどん
膨らんでいくのを感じ


“聡は弟。
それ以上でも、それ以下でもない”


あたしは、その言葉を呪文のように、繰り返した。



ふと見ると、目線の先。


相変わらず、廊下で女の子達に囲まれてる聡に、胸がキュンキュンするのを、


ひたすら
見ないように
感じないように


自分自身をごまかしながら・・・。