「そんなこと・・・」


あたしが顔を横に振ると、


「じゃあ。
聞くけど」


あたしのあごをひとさし指1本で持ち上げ、


「なんで機嫌悪いの?」


綺麗な顔を近づける。


「別に・・。
機嫌悪くなんか・・・」


動揺を隠したくて、ぷいっと口をとがらせたあたしに、


「あーあ。
雫が素直になれるように、オレ、がんばってあげてるのにな?」