「だって・・・。
あたし、黒あくまの彼女だし?
変なこと、しないでよ」


そう言って、ぷいっと横を向いたあたしに、


「ん?
あー・・・。
あれ。
もしかして、根に持ってるの?」


聡はずり落ちそうになった肩の楽器を「よいしょ」と背負いながら、


「でもさ?
ああでも言わないと、あの場は収まらなかったでしょ?」


そう言いながら、


「それとも。
オレの彼女って、言ってほしかった?」


意地悪そうに、目を細める。