榊原聡は、あたしの小指に軽く唇をつけ、



「約束する。
おまえの嫌がることは、絶対しない。
だから。
少しずつでいい。
オレを、受け入れて」



そう言ってから



「ごめん。
おまえまで濡れちゃった」


小指を絡ませていない方の手で、あたしの手をぬぐった。