「あたしこそ・・・ごめんなさい」


まっすぐな瞳を見ていたら、


言葉がすらすら出てきて。


「ただ、びっくりして。
それに、あたし・・・男の子・・・苦手だから」


空中でとまる榊原聡の小指に、自分の小指を絡ませた。


「嫌いなわけじゃないの。
でも・・・」


続きがうまく言えなくて、ちょっと下を向いたあたしの小指に触れる優しいぬくもり。