そして、キョロキョロあたりを見渡した後、


「だって。
オレ達が姉弟なのは、内緒なんでしょ?」


あたしの耳に、小さな声で囁きかける。


「や。
ち・・・ちょっと・・。
近いって」


ボっと赤くなる顔をそむけ、聡を軽く押しやると、


「かーわいー」


聡はからかうような調子で言って、


「だから。
オレとお姉ちゃん。
2人だけの“ひみつ”を守るために・・・ね?」


チケットを掴んだあたしの手を持ち上げて、


ちゅっ。


手の甲に、キスをした。