「え?
恵?」



「だって。
それって。
ただ単に、受け流してるだけじゃなくて。
あたしに。
感情を持って接してくれてるってことでしょ?」


恵の顔からは、いつものおちゃらけた表情なんて、
一切消えていて。


「雫が羨ましい。
昨日、そう思ったの。
あたしだけじゃないと思う」


恵は、ガラスのように冷たく、無機質な瞳をあたしに向けた。