途中で寄ったお弁当屋さん。

1つにするか、
聡の分も買っておくか、
散々迷って。


“女んトコ行く”って言った聡の後ろ姿を思い出し、


「帰ってくんな!」


顔を歪めて小さくつぶやいて、

お弁当を1個だけぶら下げて、家に帰った。



家の鍵を開ける時、

いちごのキーホルダーを揺らした聡の顔がチラついて。


シン・・・とした室内に、心が冷たくなった。