そんなあたしに


「なんだ。
その顔。
文句あんのか?」


黒あくまは
いつもの傲慢な態度に戻り、
高圧的に言って、
あたしを鋭い視線でギロっと睨む。


いつもの
ドスのきいたセリフと
ドス黒いオーラ


なのに

次の瞬間。


黒あくまの表情が変わり、
あたしの右手をそっと持ち上げると、
すでに血の固まった指先を、
ゆっくりと口元に運んだ。