それを見て聡が、


「あれ?
南野さん。
緊張してんの?」


低い声で意地悪そうに言って、


「大丈夫。
オレ。
けっこう、優しいよ?」


唇を尖らす。


「そうだな。
どう優しいか。
具体的に言ってほしい?」


聡は、何かを企んだような顔で


「そうだな。
夕飯は。
オレが作ってやるよ」


親指で自分を指差し、
大胆不敵にニヤッと笑い、



「あれ?
まだ足りない?
じゃあ・・・」


あごに手をあて、何かを考えるふりをした。