あたしの心の叫びむなしく、
恵は鼻息荒く、にこにこしてるし、


「ふーん。
そりゃ。
好都合」


聡は首を傾け、ニヤッと笑うし。


ばかー!!


しかも。

何を考えたのか。


「つーか。
それなら、なおさら。
男手がいるんじゃねぇ?」


胸に左手をあて、


「ご両親の留守中。
君が怖くないように、
オレがしっかり守ってやるよ」


女の子達が息をのんで絶句するほど、

綺麗な笑顔で微笑んで、

あたしの手をとり、

その手のひらにいちごのキーホルダーのついた家カギを握らせた。