「怒ったかと思えば、
急に素直になったり。
抱きついてきたかと思えば、
突き飛ばしたり。
今オレを見上げるその上目遣いも。
軽く開けた唇も。
おまえさ。
それ全部計算?」


冷たい声が、後から後からたくさん降ってくる。



「いくら男が家の中にいなかったからって。
男の裸くらい、水泳の授業でも見てんだろ?」


イラ立ちのこもった声。


「たったこれだけのことで。
そんなにかわいい反応見せられたら、
たまんねーっつうの」


はき捨てるような言葉。