「雫ってさ。
案外大胆なんだな。
学校では優等生面してるくせに」



聡は、口の左端だけをちょっとあげて、
意地悪そうにあたしを見つめる。



「夜中に。
男の部屋に来て。
抱きつくなんて。
いったい、何して欲しかったわけ?」



首を横に傾けて、

あたしの顔が赤くなったのを確認してから、

あごを突き出し、

ニヤっと笑う。