翌日。

そう、今日は翠の誕生日である。

とうとう来てしまったのである。

僕は重い身体を起こしてベッドから降りた。

時計を見るとちょうど午前8時だった。

翠は……たぶんまだ寝てる。

起こしに行くか……。

ペタペタと裸足で歩いて翠の部屋(といっても隣り)の前に立つ。

コンコンッ

「翠ー? 起きてるかぁ?」

…………。

返事がない。

まさか熟睡してやがるのか?

ったく!

僕は意を決してドアを開けて中に入った。

「おーい翠! おーきーろー!」

耳元で言ったのに全く起きる気配がない。

どんだけ?

今度は肩を揺すりながら言ってみた。

だが結果は同じで目を覚まさない。

そんなに疲れてんのか? こいつは。

僕はいいことを思いついて翠の耳に唇を付けながら囁いた。

「起きてくれなきゃ……キスしちゃうよ?」

「〇×△□@%#!!!」

翠はわけの分からんことを言いながら飛び起きた。

って……顔真っ赤だし(笑)

「なッ、ななななな何すんッ……」

「だぁ~って翠起きないんだもーん」

「何がもーんよ! イラっとするわ!」

「起きないのが悪い」

僕がシレっと言うと言い返せないのか黙ってしまった。

「~~~~っ!!!」

てか、なんでそんなに顔赤いわけ?

熱でもあんのか?

そう思って僕は自分の額を翠のそれにくっ付けた。