賑やかな夕方の街を抜け、歩いて来たばかりの道を引き返す。


似たような家が建ち並ぶ住宅街に入ると、ジャージや制服を着た子達がたくさんいた。


部活を終えたばかりの中学生達が、ちょうど下校する時間みたい。


その中を歩くあたしは、気合いを入れてオシャレをして来たせいで、何だか浮いている。


真っ白なコートが自分の存在を余計に目立たせる気がして、それが虚しさを浮き彫りにさせた。


抱いた侘(ワビ)しさから逃げるように走って、見慣れたマンションに駆け込んだ。