「ぇ?
なんて?」


「なんもない…」





なんでこんな泣きそうなの

こんなことで……



「藍那?
泣いてる…?」

「泣いてない」


「や、泣いてるょ?
大丈夫?」

「大丈夫だってば!」



あたしの頬にのばした佑歌の手を振り払った





あたし、最低…












「ごめん、
またね、佑歌」

鞄を掴んで階段を駆け降りる



「おじゃましましたっ」

「ぁれ?あぃ…な?」





美雨が居たけど
あたしはそんな余裕なくて
走って帰った






「…ック」

や、なんで泣いてるんだろ



《~♪~♪》
「…もしもし」


『藍那っ!?
大丈夫っ?』

「み、ぅ?」




やばいなあ
泣いてるって気づかれる
あたし人前で泣くこととか
滅多にないんだけどなあ