「なんで突然暴れたりなんかしたの」


「私はなにもしてないわよ。でも突然、いつものように天使、天使って暴れだして」



自ら恋人とハネの病になったのに、先に逝った恋人が迎えに来ると怯えて暴れるとは、なんて都合がいいんだろう。

結局コウスケも、「死ぬときは一緒」とか綺麗事を並べておいて、いざという時には自分の身可愛さにこうして暴れ出すんだ。






いや


コウスケはそんなに薄情なやつだっただろうか。





「ところで、なにしに来たの?」



姉の声で我に返った。

本来の目的を忘れるところだった。



「専門外だったら悪いんだけど、あの…ナキの事についてさ…」




僕はナキと出会ってから現在に至るまでの僅かな数日間のことをすべて話した。