なんだかとても体がだるい。
目を開けるとそこには、知らない部屋。そして私の手を握り締めている脩サマがいた。
「あっ。あの・・・手///」
というと、脩サマは、あわてて私の手を離した。
「目、覚めてよかった。今、親とか呼んでくるから。」
そういって脩サマが立ち上がった隙に、私は走った。
「おいっ!どこいくんだ!」って聞こえた気がした。
でもそんなのお構いなしに私はひたすら走った。カラダが重くてふらふらして・・
親戚やお客さんの話を聞いて、私の居場所を思い知らされたから。
なんだか、もうあの場所には戻れない気がした。
私はとうとううわべだけの居場所も失ったんだから。
私は血筋でしか必要とされてないって確信してしまったから。ひたすら走った。
そして。泣いた。泣きじゃくっていると。頭にポンッと手が載せられた。
びっくりして上を見上げると、
「お前、意外と足速ぇーのな。」って真剣な顔して立ってる脩サマがいた。
私はこんなにも嫌いな人に自分が泣いているところをみせてしまった。