「はぁ~。」

大きなため息をつく私

帰りの百瀬さんの言葉が頭から離れない…

やだよ…

蓮兎を渡したくない…


「はぁ~…」

「愛瑠、どうした?」

心配そうに見つめる蓮兎

「わっ!!」

びっくりした~っ。

「何、びっくりしてんだよっ。で、どうした…?」

「蓮兎…」

心配そうな蓮兎

そんな顔で見つめないでよ~。

「だ、大丈夫だよっ!ただお芝居が心配で…」

必死に言い訳する私

「…本当か?」

ドキッ

真剣な眼差しの蓮兎

蓮兎に心の中まで見透かされそう…

「ほ、本当に大丈夫だよっ!お芝居の練習しよっかっ!」

「あ、ああ…」

「じ、じゃあ読むね…」