「しねぇよ？」
「え…？」
「…だって、愛瑠としかしたくねぇし。それで、愛瑠とだけしたら、百瀬、『不公平だ。』って言いそうじゃん。」
ズキッ
蓮兎の口から百瀬さんの名前が出たとき、なんだか私の胸が痛んだんだ。
頭から百瀬さんの言葉が離れない…
『蓮兎くんは私が貰うから。』
「愛瑠…？」
心配そうな蓮兎
「本当に…？本当にしない…？」
「ああ。しないよ。」
真っすぐな目で言う蓮兎
蓮兎は『しないよ。』って言ってくれたけどやっぱり心配なんだ…
だって毎日、二人きりで練習してるんだよ…？
蓮兎の王子様役、かっこよすぎるんだよ…？
あの演技を見て、蓮兎の事好きにならない女の子なんていないよ…？
どんどん不安ばかり募っていくんだ…。
もうどうしたらいいの…？
