誕生日にはバラの花束16本に、私が好きなブランドのネックレスをプレゼントしてくれた。
資金稼ぎのために週6でバイトしたらしかった。
カズに対する気持ちはどんどん膨らんでいき、4ヶ月が過ぎたある日のこと。
季節は秋で、二学期の中間テストが終わってすぐのことだったと思う。
カズが突然私の浮気を疑い始めた。いくら言っても信じてもらえず、時には手を上げられることもあったほどだった。
日曜日の夜、バイト帰りの私をカズが待っていた。というか、待ち伏せされていた。
腕を引っ張られ駅のトイレに連れて行かれた。
ほとんど無人の駅のトイレは真っ暗で、生臭くて、隙間から入り込む風がぞくぞくするほど冷たかった。
"お前が、いけないんだよ"
たしかカズはそう言ったと思う。
そのあとの記憶はあまりないけど、頭を蹴られたり、胸のあたりを切りつけられた。
ともかく、そのときがあたしの"初体験"だった。