間宮 伊織

中学校からの友達であり、
誰からも慕われるような性格で
バスケ部のエースである。


だから、
ライバルが多いのは当然だった。

けど、女子の中でも
私は彼に近い存在じゃないのかと意識していた。

勿論彼は、
“友達”としてしか私を見ていないけれど。

今は、それで十分だった。



「・・・伊織、伊織ってば」


シャーペンの先で、
彼の肩を軽くつついた。

のっそりと彼の頭が上がる
眠そうに目をこすると、すぐにハッとしたように
目を見開き、こちらを振り返った


「俺、寝てた!?」


どうやら、自覚なかったらしい


「ばっちり」


私は親指をたてると、
彼はしまったという顔でため息をついた


「有岡、できればノート見せてほしいんだけど」


そしてまたこちらを振り返り、
気まずそうに私の顔を見た


私は口角をあげてノートを渡した


これも
隣の席の特権だなぁ。