何故か、胸がざわめいてる。
まあ、確かに可愛いって言えば可愛かった。
少しの間、見惚れていた俺が居た。
でも、性格しらねぇし。
どんなに可愛くても、女なんかどーせキャアキャア言って、香水も付けて、肌を露出してるだけだろ。
吐き気する。
俺はふと、ゴミ箱に目を向けた。
写真…?
俺はゴミ箱に捨てられてる写真を手に取った。
それは、バラバラに破られた写真。
その写真に、誰か…男の人が黒いペンか何かで、塗りつぶされていた。
「……なんだ?」
何かイヤな予感がした。
コイツ、何かを持ってる。
「…ねぇ、優輝」
翔と優輝の話声が聞こえる。
「…沙希の睫毛、濡れてない?」
「ん? ……ホントだ」
「なにか悲しい事でもあったのかな?」
「……そだな」
なにか悲しい事?
俺はゆっくりと、写真を再びゴミ箱に入れた。
「…っ……んぅ~…」
「あ! さっきぃ! 起きたぁ?」
「おはよ」