「はーい、お待たせ。こちらクラブサンド、それでこっちがホットドッグ」
「わー。おいしそう!いただきます」
「はい、いつも来てくれる2人にサービスだよ」
マスターは、私たちのプレーとそれぞれに、小さなお皿を置いた。
私の大きなプレートの隣には、ブルーベリーソースのたっぷりかかったヨーグルト。
そして、先生のお皿の隣には、トマトとレタスとオニオンスライスの入ったサラダ。
・・・サラダ?
「まったく、先生、ちゃんとバランス良く食べないとダメだよ!」
マスターはそう言って、いつの間にか空になっていたカップにコーヒーを注いで、
カウンターへ戻っていった。
「先生、お野菜食べないのですか?」
ホットドッグを頬張ろうとする先生が、その手を止めて、ちらっと私を見た。
「何を食べるか、その選択の自由が私にはある」
先生の婉曲的な言い方には、多少慣れたつもりだ。
「・・・つまり、野菜は食べない、と」
「パターナリスティックな助言は最も嫌悪感を覚える」
「・・・パターナリスティック?」
「父権的、という意味だ。自分で調べなさい」
先生はそこまで言い終わると、ホットドッグにかぶりついた。
私は首をかしげつつも、たくさんの種類のサンドイッチから、
ツナが挟まれたものを選ぶ。
「美味しそう!」
私は先生にそれを見せつけるように、それを頬張った。