なんだかんだで、この前から約1週間、正確には6日、経っていた。


午後1時30分から3時の授業が終わった私は、


図書館の6階の書庫にいた。


「えーっと。・・・どこかなぁ」


今までほとんど来たことのないエリアで、


私はあるブースを探す。


さっき貸出カウンターの司書さんに教えてもらった数字を頼りに、


ぐるぐる図書館を歩き回っていると。




「あ、ここだ」


本棚の側面に掲げられた数字と、司書さんに教えてもらった数字を見比べる。


同じ数字だ。


「なんか良いのないかなぁ・・・」


しんと静まり返って、どこかひんやりとする空気の書庫。


私はこの雰囲気が好きだった。


試験前になると、よく書庫に設置された机で勉強した。


最近は遊んでばかりだし、4年生で試験もほとんどないから、


書庫で勉強することもなかったけど。


だけど、6階の書庫は今回来るのが初めてだった。


「うーん、・・・これはちょっと分厚すぎる」


1冊の、ちょっと古びた本を手に取ってみる。


正確には分からないけど、パッと見4,500ページはあるだろう。


他の本を探してみても、およそそれくらいのページ数の本がずらり。


誰もいないのをいいことに、私がため息交じりに独り言をつぶやくと。


「何が分厚すぎるのかな?」









耳元でささやかれた拍子に、私は驚いて振り返った。


そこにいたのは。


「末永先生!」


にこにこ笑っている末永先生だった。