「えぇっと・・・」


とにかく昔の記憶をたどると、なんとなく、


聞いたことある話の中で「愛」関連の言葉が見えてくる。


「エロス」


いきなり出てきたその言葉に、隣の龍司君が噴き出しそうになっている。


「それから?」


しかし、松本先生は動じることなく、淡々と尋ねてくる。


「ス・・・ストルゲー?」


あやふやな言葉だったが、たしかこんな言葉があったはず。


「意味は後で聞く。それから?」


う・・・。段々怪しくなってきた。


「えーっと、・・・フィーリア」


「それから?」


えぇい。もういいや!


「アガペー!」


何故か最後は叫ぶように答えてしまった。


「そうだ、アガペーだ」


その瞬間だった。