いつも私の方から好きになって。
ただ追いかけて。
相手が見ている方向すら分からずに、
いつも胸の奥が苦しくて。
終わるころには、息切れてて疲れ切った私がいつもいた。
どうしてこうなってしまうんだろうと、自問自答してきた。
前の彼氏は浮気して別れたし。
その前の彼氏も浮気していた。
何度信じようとやり直しても、
結局はいつもダメになってしまう。
信じようと思って、
頑張って彼のために色々した。
彼のためにお弁当を作って持って行った。
彼にたのまれて、宿題のレポートをすべてやったこともあった。
あれはたしか哲学の授業。
愛の種類がすべて言えたのも、その時に覚えたもの。
彼の好みに合わせて一生懸命化粧をして、
洋服の趣味も合わせた。
でも、結局はいつも。
「お前の事、もう好きじゃない」
聞き飽きたセリフを吐き捨てられて捨てられた。
愛だなんてたいそうな言葉で表せるほど、
そんな素敵な恋をしたことなんて、私にはなかった。
だから、咲がそんな風に笑顔になれる理由を、
知りたかった。