店内に入ると、相変わらず静かなままだけど。 「佳子!」 カランカラン、とベルの音が鳴り響くと同時に、咲の声が店内に響き渡る。 咲は立ち上がって私の方を見ていた。 私はマスターに会釈をして、急いで二人の席へと向かう。 「「ごめんなさい!」」 はもってしまった。 お互い顔を見合わせて。 何だか心が通じ合って。 「・・・あはは」 「ふふ」 そんな滑稽な風景に、私たちは笑いあった。