先生と歩いてたどり着いたのは、


近くにある高めのコーヒーショップ。


「ここならまだまともなコーヒーが飲める」


先生が独り言をつぶやくようにそう言って、店内に入っていく。


落ち着いた雰囲気で多少値段設定が高めのコーヒーチェーンで有名だ。


でも、コーヒー店って、


紅茶がアイスティーかホットでダージリンくらいしかないんだよね。


とか何とかもやもや考えながら、


レジで注文する先生の後ろでメニューを眺める。


「キミは何を頼む?」


「えっと、私は・・・あ、チャイティーにしようかな」


ジンジャーが入っている、インドのミルクティーだ。


あんまりこういうチェーン店だと無い事が多いけど。


とぼんやり考えていたら、


いつの間にか先生は注文を終えていた。


私が次にレジカウンターに行こうとすると。


「キミは席をとっていなさい」


「え、だって私、まだ注文して」


「いいから。早くしなさい」


先生はふいっとまた顔を私の見えない方へ向かせてしまいながら、


商品を渡されるカウンターまでさっさと行ってしまった。


(・・・うー。あとで注文するとか面倒くさいなぁ)


渋々私はソファ席を確保するため、


客席のエリアへ急いだ。