「ウワァァァァ、」

人間で言う手首の辺りに圭吾のナイフが刺さる。


ビッ、

ナイフを引き抜くと、成宮は距離をとる。

「ふざけんな!」

ヒュッ、


また、消える。


パシンッ、

ドンッ、


圭吾が何もないところに足を出すと、成宮が引っ掛かり転ぶ。


「ハッ、」

ビッ、

ギリギリで成宮がかわす。


「かすっただけですか。」


「なんで、私の姿が見えんだよ!」

「貴方の姿は全く見えません。

ただ、予測は可能です。」

「予測?」

「ええ。僕の能力は、高速情報処理。

貴方の攻撃手段はスピードと爪。
それから、先日から生徒会として貴方の情報は一通り集めています。

歩き方、運動をする時の癖など。

そして、獣化は多少、捻りのない行動をする。


これは幸大さんから聞いた話ですがね。

とくに、貴方のように頭より身体が先に動くタイプの人は、獣の身体と人間の脳が争った時、力の半分以上を脳の保護に回すため、動きはより単調になる。


ならば、予測は意外に簡単です。」


「んなこと、信じられるか!」

ヒュッ、